大倉朗人の消しゴム版画ようこそ常設展示室へ

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プロフィール

プロフィール Akito Okura

香川県生まれ 高松市在住
慶応義塾大学 法学部法律学科 卒
四国電力株式会社に入社
2018年から2022年まで公益財団法人 よんでん文化振興財団常任理事

活動歴等
2007 書店で偶然手にした1冊の本がきっかけとなり、独学で消しゴム版画の創作を始める
2014 四国電力(株)カレンダーに作品を提供(2016年迄)
2015 第21回日本はがき芸術作家展入賞(2020年迄6年連続入賞)
2016 インターネットに掲載された作品画像の検索数が、消しゴム版画のジャンルで全国1位にランクイン
2018 第83回香川県美術展覧会 洋画部門に初応募で入選 (第87回まで4回入選)
2020 第26回日本はがき芸術作家展大賞 受賞
2021 初の作品集「消しゴム版画の贈りもの」を発行
近年の主な作品展
2017 「世界に一つだけの版画展」高松市美術館 市民ギャラリー
2019 「夏を涼しむ・大倉朗人の消しゴム版画展」サンポートホール高松 市民ギャラリー
2020 「第9回 財団奨学生と顕彰者による美術展~ART ENERGY FROM SHIKOKU~」 (特別出展)
 香川県文化会館
2022 「久保映理子・大倉朗人 二人展」 クローバーカフェ高松店ギャラリー
2022 「SEASONS・時の色」サンポートホール高松 市民ギャラリー
2022 「第4回一期一絵展 (グループ展)」 高松市美術館 市民ギャラリー
2023 「酒井久夫・大倉朗人 二人展」ギャラリー リブ・アート(松山市)

消しゴム版画と旅して

私にとって消しゴム版画は、自身を思いがけない世界へと導いてくれる旅先案内人のような存在です。
新たなモチーフとの出会いや、新たな人との繋がり、そして新たな美への気付き。消しゴム版画に誘われて巡る創作の旅は、いつも刺激に満ちています。
旅の途中で感じたこと、見つけたこと、創作のあれこれを思いのままに記していきます。

vol.1

消しゴム版画との出会い

小さい頃から絵を描くことが好きだった私は、高校時代に油彩画も学びましたが、厚塗りの表現方法になじめず、その後長く絵画から遠ざかっていました。

消しゴム版画と出会ったのは14年前の11月。会社帰りに、次の電車まで時間をつぶそうと近くの書店に立ち寄りました。普段は店頭に並んだ新刊書をチェックすることが多いのですが、この日は誘われるように店の奥へ。時節柄、そこには大きな机の上に、年賀状の関連本が平積みにされていました。

「もう年賀状のシーズンか…」と思いながら通り過ぎようとした矢先、書店スタッフの方が付けたPOP(おすすめ本の目印)が視界に入りました。「どれどれ、どんな本かな」と手にしたのは、和のセンスで美しくまとめられた、我那覇陽子さんの作品集「消しゴムで和のはんこ」。敢えてざっくりとデザインされたはんこが、何ともいい味わいです。

すっかりインスパイアされた私は、書店を出る時には「面白そうだ、やってみよう」とチャレンジを決意したのでした。後日、用具を整え試してみると、彫刻刀で切り取られたフラットな図形の面白さや、鮮やかなインクの色彩にたちまち夢中になりました。

こうして、私と消しゴム版画の旅が始まりました。

(to be continued)

消しゴム版画との出会い
vol.2

版をパーツに分ける

私の制作方法の特徴の一つは、消しゴムの版を小さなパーツに分けること。はがきサイズの作品だと、最少で2個、多いもので30個近くのパーツを作り、それらを順番に組み合わせて一つの作品に仕上げています。その過程は、ジグソーパズルを組み合わせていくようなイメージでしょうか。試行錯誤を重ねるうちに、こうした手法が身に付きました。発端は、消しゴム版画を始めて3作目、初めてオリジナル作品を創作した時のことでした。

季節は春、桜の花をいくつか図案化し、横長の和紙にあしらって満開の桜花を描きました。デザインとしてはそこそこまとまっていたのですが、何か足りない。山桜なら新緑と組み合わせてもおかしくないなと思い、小さな葉っぱを添えることに。そうなると枝が必要、蕾も欲しいな ……。自然な感じの桜の木に近づけようと小さなパーツが次第に増えていきました。これをきっかけに、経験を重ねるごとにパーツの数が増え、より複雑な作品を手掛けられるようになりました。

パーツを作るときのポイントは二つあります。裏から見て正確に形がつかめるよう、版の周辺の不要な部分をギリギリまでカッターナイフで切り落とすこと。また、版をおすときの位置ずれを防ぐため、パーツ同士がカッチリ組み合わされるように、計画的に切り分けること。こうすると、ずれることなく版を正確におすことができます。パーツに分けると工程が複雑になり、失敗のリスクが大きくなるのですが、一手間かけることで物と物との境界を白線で区切ることなく、より自然に描写することができます。

上の画像は作品「天国のマンゴー」で使用する2つのパーツ、下の画像は「雨上がりの野良時計」の23個のパーツ。1cm角の升目が入ったカッティングマットの上に並べています。

(to be continued)

消しゴム版画との出会い

消しゴム版画との出会い

vol.3

彫と線

coming soon

vol.4

彩色

coming soon

vol.5

モチーフとの対話

coming soon